CLANNAD

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by Key

ストーリー

- 春。
 ありふれた学園生活から始まる、人と町の物語。
 
 校門まで残り200メートル。
 そこで立ちつくす。

 「はぁ」

 ため息と共に空を仰ぐ。
 その先に校門はあった。

 誰が好んで、あんな場所に校門を据えたのか。
 長い坂道が、悪夢のように延びていた。

 「はぁ・・・」

 別のため息、俺のよりかは小さく、短かった。
 隣を見てみる。

 そこに同じように立ち尽くす女の子がいた。
 同じ三年生。けど、見慣れない顔だった。
 短い髪が、肩のすぐ上で風にそよいでいる。

 「この学校は好きですか?」
 「え・・・?」

 いや、俺に訊いているのではなかった。

 「わたしはとってもとっても好きです。
 でも、なにもかも・・・変わらずにはいられないです。
 楽しいこととか、うれしいこととか、ぜんぶ。
 ・・・全部かわらずにはいられないです。」

 たどたどしく、ひとり言を続ける。

 「わたしは・・・」

 「見つければいいだけだろ」
 「えっ・・・?」

 驚いて、俺の顔を見る。

 「次の楽しいこととか、うれしいことを見つければいいだけだろお・
 あんたの楽しいことや、うれしいことはひとつだけなのか? 違うだろ」

 そう。

 何も知らなかった無垢な頃。
 誰にでもある。
 「ほら、いこうぜ」

 俺たちは登り始める。
 長い、長い坂道を。


ヒロインと愉快な仲間達

古河 渚(ふるかわ なぎさ)

 主人公と同じ学校の3年生。長期休学から復学を果たした日、校門へと続く長い坂の下で思い悩んでいるところ、主人公と出会う。
 学校ではたくさんの困難が待ち受けていたけど、主人公と共に頑張っていく。

藤林 杏(ふじばやし きょう)

 主人公と同じ学校の3年生。口が悪くおおざっぱな性格をしているけれど、面倒見のいい女の子。隣のクラスで委員長をしている。2年の時は、主人公と同じクラスだった。

一ノ瀬 ことみ(いちのせ ことみ) 

 主人公の同級生で、学年トップの秀才。でも、授業に出ず図書室で本を読んでいることが多い。ちょっと浮世離れしていて、会話が噛み合わないこともある。

坂上 智代(さかがみ ともよ)

 舞台となる学校に、この春から編入してきた2年生の女の子。この学校では隠しおおせているが、実は、男が束になってもかなわないくらい喧嘩が強い。主人公からすると年下だが、ぜんぜん年下らしくない。

伊吹 風子(いぶき ふうこ)

 主人公の通う学校の1年生。いつもひとりで、ナイフ片手に木片を彫っている大人しい印象の女の子。出来上がった彫刻を、できるだけたくさんの人にプレゼントしたいと思っている。

宮沢 有紀寧(みやざわ ゆきね)

 忘れられた資料室に籠もっている2年生。学校のこと、町のことを良く知っている。とても礼儀正しく、主人公の事を先輩と呼ぶ。

藤林 椋(ふじばやし りょう)

 主人公と同じクラスの女の子。藤林杏とは双子の姉妹。姉と違い、消極的で大人しいが、やっぱりクラス委員長をしている。占いが好きだけど、絶対に当たらない。

相楽 美佐枝(さがら みさえ)

 春原陽平(すのはら・ようへい 主人公の悪友)が暮らしている学生寮の寮母。元気な姉御肌で、寮生たちの良き相談相手。学生時代は清楚な美人だったらしい。

春原 陽平(すのはら ようへい)

 主人公の悪友で同級生。サッカーのスポーツ推薦で入学したが、喧嘩沙汰を起こして退部になった後は自堕落な学生生活を送っている。実家が東北地方であるため運動部用の寮に強引に住み続けている。

岡崎 朋也(おかざき ともや)

 主人公で3年生。幼い頃に母・敦子を交通事故で亡くしてから父・直幸と2人暮らしだった。中学の頃から他人との関わりをあまり持たずに過ごしてきており、遅刻・授業怠業の常習犯であるため進学校である学園では不良と見なされている。
 現在は他人行儀で生気を失っている父を敬遠しているため、放課後は春原の部屋に入り浸っている。

本題のレビュー

やっぱりKeyだよね・・・

 keyの3作目、Kanon・AIRもそうでしたが、積み上げてる期間が長かった割に、始めてしまうと一気にプレイしてしまいましたw
 前2作品とも共通してますが、音楽が素晴らしく、そのシーンにとてもマッチしていました。また、泣けるシーンになると、その音楽自体が涙を誘うような、切ないような、そんな感じに仕上がっていました。

泣きと萌えw

 ご多分に漏れず、今回も泣き入りました(T.T) 浅く広くではなく、特に3名のヒロインで涙がちょちょぎれて来ました。

 まず風子。最初は訳のわからんヒトデの彫刻してるんで、ひょっとすると電波系のヒロイン?なんて思っちゃいましたが(笑)、物語が進むにつれて、その電波系な行為の意味するものが理解でき、最後のシーンでは涙ボロボロ。こういうキャラも珍しいですね。
 全体の流れからすると、やはりメインヒロインは渚なんでしょうけど、いわゆるサブキャラ的存在のヒロインでこれだけ泣けたのは余り記憶に無いです。

 次に、個人的にはまったのがことみ。というか、最初に攻略したのがことみだったんですけど、妙に萌えも入ってしまいましたw
 まず、喋り方が独特ですが、コレが妙にクリティカルヒットw
「ことみ、かわい~♪」と呟きながらキーボードのEnterキーを押してましたが、客観的に見るとオレって変ですよね?w
 という感じで、エンディングは萌えのまま終わるんかなって思っていましたがこれがまた全然違ってまして、泣きまくってしまいました。特に、ことみに鞄が届けられたシーンは、涙流しながら嗚咽しながらキーボード叩いてました(; ;)

そしてやっぱり・・・

 渚&汐エンド。俺的には汐エンドが一番の泣き所でした。勿論、渚も良かったのですが、それを含めても汐ストーリーの方が良かったですね。最後の方なんてただただ大粒の涙を流しながら話を進めて没頭してしまいました。
 結局のところ、渚の想い、渚の両親の想い、そして汐自身の想いがひしひしと伝わってきて、そして主人公の渚達に対する想いというものがようやく解るようになって、なんだかもうどうしようもない位に切なくてそして嬉しくなっていました。
 汐エンドを終わってからしばらくは何にもやる気が起こりませんでした。感動をかみしめるような感じで何度も反芻している感じですね。

Keyが凄いって思うところ

 毎回思うのですが、必ずしもギャルゲにヴォイスは必要で無いって感じさせてくれるのがkeyの良い所だと思います。
 確かにコンシューマー版もプレイしてみたい気はしますが、何となくPC版と印象が異なってしまうような感じがして、未だにプレイしてません。というより、自宅には家庭用ゲーム機が一切無いというのが一番大きな理由なんですがw
※執筆当時は無かったんですよ。今は友人からPS2借りてるんで問題ないんですが。これ以上積みゲー増やしてもねぇ(;^ω^)
 今回は全年齢対象版って事でしたが、全く気にならない作品でした。コレでエロを期待してもしょうがないですし。むしろ、この方が良かった気がします。
 今の高校生あたりに、是非プレイしてもらいたい作品ですね。人を想う気持ち、そして人との繋がりを、もっともっと感じて、精一杯「生きて」欲しいからです。この作品をプレイして感動したなら、そう簡単に両親や友人をナイフで刺したりすることは出来ないと思いますのでw